王将戦を観戦して

羽生さん、本当にすごい

ありきたりな表現ですが、今日の王将戦第4局を観て本当に感激しています。

王将リーグを全勝で勝ち抜いて王将戦の挑戦権を獲得なさった時点でも、正直に「0-4か1-4か、そのくらいで終わってしまうだろう」と思っていました。
それほどまでに藤井王将のいまの実力の飛び抜け方は明らかで、一方の羽生さんは復調してきているとは言っても正面からどーんとぶつかって五分の勝負ができると思えるほどの強さを感じなかったからです。

それが第4局終わって2勝2敗。
内容的にも ―私個人では対局の内容を読み取ることはできないので、プロや配信者、将棋ソフトの評価を見ての判断ですが― がっぷり四つでぶつかって、敗れた側も良い手を出し、勝った側も綱渡りのような難しい手を繋げて、というまさに王者と王者が力を出し尽くすという素晴らしい対局でした。

私も頑張ろうと思わせてもらえる

10代20代のころと比べれば、私もできないことが増えましたし、また、熱い気持ちで何かに取り組もうという意欲も沸きにくくなってきています。
そうした中で私よりずっと年上の方が闘志を燃やして自身の限界に挑戦していく姿には本当に心を打たれます。

サッカーの三浦知良選手に対しても「活躍する姿を見ると私も勇気が出る」と言う人がたくさんいますが、しばらく前までの私はそういう気持ちにあまりピンと来ませんでした。
いまは羽生さんの活躍を拝見してそう思いますし、三浦選手のニュースを拝見してももちろん同じように思います。

だから私も挑戦しよう

いまも水泳の市民大会には年に何度か出ているのですが、ローカルな大会だけでなくマスターズ大会に出場しようとしばらく前から練習をしています。
どうしても無理のできない部分(簡単にはもう治らない膝の靭帯など)はうまく付き合いながら、まだ体が動くうちにはもう少し頑張ろうと。

諦めたくなったときには、羽生さんの今期王将戦の活躍を思い出して、自分に挑戦をします。

最後に

5年前のニコ生名人戦中継PVのために先崎学九段のお書きになった『昇る落日』をまた今日も思い出しました

https://www.nicovideo.jp/watch/sm33035730

 羽生は常にトップにいるうちに、どこが全盛期かついに分らなくなった。不調になっても押し返すその姿は、寄せては返す波のようだ。夕陽かと思ったら、いつの間にか朝日に見えてくる。みんな、ア然としながら戸惑う。
 持って生れた才能で易しく勝っているかと思う人も多い。しかしすべての棋士は知っている。羽生が沈まぬ太陽でいるために、どれだけもがき苦しみ、毎局毎局歯を食いしばっているかを。
 羽生はいつも変革者で革命家だった。まだ荒っぽかった将棋界を、彼は自分が勝つことによって変えてみせた。不世出の大名人大山康晴が近代の将棋界を作ったように、羽生は現代の将棋界を作った。そして今、すこし前ならば、近未来だったAIの世界の中で泳いでいる。

https://originalnews.nico/92948

今期王将戦がさらに盛り上がり、このあとの第5局・第6局もまたさらに藤井王将・羽生九段が持っている力を出し切れる対局になることを心から願っています。
(そして、羽生さんが王将奪取なさることを。)